離婚給付契約公正証書の概略説明

 公正証書にしておけば相手方(給付債務者)の財産に強制執行をかけることができ、
 その場合、養育費については債務者の財産に対し
 他の債権者より大きな割合で執行に及ぶことができます。
 また、相手方が破産して他の債権者に対し支払を免かれることとなっても、
 養育費支払の関係では免責されません。


 下記ア~カ記載の合意事項について、ご夫婦で内容を決められた上
 (公証役場がご夫婦の中に立って合意内容をとりまとめることは致しません。
  合意内容は、あくまでお二人でご相談のうえお決め頂く必要があります)
 必要書類と共に提出(Fax でも可)して頂くと、それに基き当方で案文をお作りします。
 
(その場ですぐに公正証書をお作りすることはできません。
      必要書類を提出あるいはFax して頂いてから、早くても数日はかかります)
 その案文を予めお二人に読んで頂いて、必要な訂正等をし、
 当役場で署名押印して頂く日取りを決めます。 
 当日は、お二人揃っておいで頂き、公正証書(案)に各自署名押印され、
 公証人も署名押印すると、証書が完成します。
 
(打合せ段階は、お二人のうちどちらか一方が来場・連絡されても、結構です)
 

 必要書類
⑴ ご夫婦お二人の各印鑑登録証明書、運転免許証、パスポート、住基カードのいずれか
 
 (印鑑登録証明書であれば実印で、それ以外であれば認め印で、公正証書に押印して頂きます)
⑵ 未成年のお子さんがおありであれば、家族全員の載った住民票
⑶ 財産分与する財産に不動産が含まれる場合、登記事項証明書
⑷ 以下の点などについての合意内容を書面にメモしてお出し頂きます。
                                 (口頭でも結構です)
 合意事項
 ア 離婚後、子の親権者は、父親・母親のどちらがなるか
 イ 子の養育費等についての取り決め
  月額いくら支払うか
金額を特定しませんと、強制執行ができません
  支払の始期と終期
  
(何年何月から支払始めるか。何歳まで、或いは学歴のどの段階まで支払うかなど)
  事情によっては月額を変更する等の定めを書くかどうか
(子供の事故や病気で
       大きな出費があったり、それで生活費が増えてしまう場合に備えての定めです)
  子との面会交流の日時・場所・方法・程度等についての定めを入れるかどうか
 ウ 財産分与、慰謝料について記載するか否か
  記載する場合
   支払総額
金額を特定しませんと、強制執行ができません)を定め、
   その支払方法を決めて頂きます。
    分割払とするか一時に払うか(
期限あるいは期間・分割金額
    分割払とする場合、不払いがあった(
不払回数を決めて頂きます)ときは
     残額を一時に払うという定め(
期限利益喪失約款又は失権約款といいます
     を入れるかどうか
    不払いがあった場合に備え、遅延損害金の定めを入れるかどうか
     
(入れる場合、損害金の割合を年何パーセントにするかも決めて頂きます)
 エ 清算条項 
   公正証書によって全部解決したものとし、
   公正証書に定めたものの他には互いに何ら債権債務がない旨
  を記載するかどうか
 オ 連絡条項 
  今後、住所の変更等があった場合、互いに連絡する旨の定めを入れるかどうか
 
 (養育費等、支払いが何年かの期間にわたる場合、連絡先を確保しておくことが大切です)
 カ 強制執行認諾約款
   不払いがあった場合強制執行をかけることができる旨の定めを入れるかどうか
  (公正証書にはこの定めを入れることができ、
  その定めによって前記のような強制執行の効力が生じます)     


 手数料
  協議離婚の届出に際して約定した
 慰謝料・財産分与の取決め又は未成年の子の養育料の支払を公正証書にする場合は、
 慰謝料・財産分与養育料とを別個の法律行為として扱い、
 それぞれの手数料を、手数料表にあてはめて求め、
 その合計額がその証書の基本手数料の額となります。
  ただし、養育料の支払は、手数料令の定めにしたがい、支払期間が長期にわたる場合でも、
 10年分の金額のみが目的価額になります。

  以上のほか
   紙代として、罫紙1枚につき250円を頂くことになっています。

            

                  手数料表

   目的の価額    手数料
    100万円まで     5,000円
    200万円まで     7,000円
    500万円まで      11,000円
  1,000万円まで    17,000円
  3,000万円まで    23,000円
  5,000万円まで    29,000円
    1億円まで      43,000円


離婚に伴う年金分割


 なお、平成19年4月以降の離婚には、離婚に伴う年金分割ができることになりました。
 離婚後2年以内に、分割すること・分割の按分割合についての合意ができると、
 たとえば、夫の厚生(共済)年金の保険料納付記録(報酬比例部分)が
  按分割合に従って妻に移行することになります(合意分割といいます)。
 
合意分割の手続としては、
 ①上記合意ができている旨記載し、お二人が自ら署名した書類(年金事務所に
  書式が備えてあります)〔この方法によるときは、お二人又はそれぞれの代理人
  (双方を兼ねることはできません)が直接年金事務所の窓口に持参することが
  必要です〕、及び、本人確認のための⑴の資料(具体的には最寄りの年金事務所にお尋ね下さい)
  が必要となります。
 ②上記合意の公正証書
  (公正証書を作成するには、上記⑴の資料のほか、
          お二人で決められた按分割合
                     と
          お二人の基礎年金番号が必要になります)
 ③合意の私署証書に公証人の認証を受けたもの
のいずれかを添えて、年金事務所に請求することになります。
合意ができない場合は家庭裁判所で調停、審判、判決等の手続で決めてもらうことになります。

 
合意分割を上記離婚給付契約と併せて公正証書にされる場合は
 上記の各必要書類もご準備頂くことになります。


  年金分割合意公正証書作成の基本手数料は、1万1,000円です。

3号分割について
 (厚生年金加入者を2号加入者、その被扶養配偶者を3号加入者といいます)
 また、平成20年4月からは、「厚生年金の保険料は夫婦2人で負担したもの」
 という考え方によって、年金分割をとらえることとなります。
 これによって、平成20年4月以降に離婚されるご夫婦については、
 同月以降の3号加入者期間についての年金が、
 ご夫婦の合意がなくとも、
 一方からの請求により、
 年金の2分の1が分割される
 こととなりました。
  但し、平成20年3月以前の婚姻期間の年金を分割するには
 上記の合意か裁判所の手続が必要になります。